理事長挨拶
精神障がいの”かけら”さえ持たない人間は存在するのでしょうか?
およそ全ての人達はそれぞれ何らかの”障がい”を抱えながらも社会に適応するための工夫をして生活しているんだと思います。身体についても同様でしょう。自身の体に何の問題も無く一生を送れる人など居ません。
心身の不調があれば、まず自分で解決しようとするのが自然な流れですが、それで解決できない場合は周囲に援助を求めることになります。さらに専門的な援助が必要な場合は医療を利用します。体の不調のために病院を受診することに抵抗感を持つ人はあまり居ませんが、心の不調のために病院を受診することをためらう人は少なくありません。それは精神障がいが特殊な、妙な状態であるという誤解のためです。
初めに述べたように、人間はもともと精神障がいを等しく持っているのです。従って、それが重くなったときに医療を受けるのは、ごく自然なことなのです。
私たちの医療が全てを解決できるわけではありませんが、その辛さを、生きにくさを軽減できる可能性があります。受診された方の役に立ちたい、その一念で診療を続けています。
理事長 宇都宮 和則
院長挨拶
当院は昭和12年に開院して以来、精神科を専門とした診療を行っております。長い伝統のある病院ではありますが、精神医療の現場は、社会の変化や人々の価値観の多様化とともに、日々その在り方が問われています。当院はこれまで、地域に根ざした精神医療を提供し、患者さま一人ひとりに寄り添う診療を大切にしてまいりました。私もその理念を受け継ぎ、さらに発展させていく所存です。
この理念の実現の為に、医師、看護師、作業療法士、心理士、精神保健福祉士、事務職員など、すべてのスタッフが連携したチーム医療で専門性を追求し、患者さまの回復と社会復帰を力強く支援できる体制の強化に努めてまいります。
また、高齢化が進む現代社会において、認知症への理解と支援はますます重要になっております。私はこれまで認知症専門医として診療してきた経験を生かし、認知症の早期診断、適切な治療、そしてご本人やご家族への支援体制の充実に力を尽くております。
診療だけでなく、精神疾患や認知症に対する社会的な偏見を取り除き、誰もが安心して相談・受診できる環境の整備や、地域と連携した啓発活動や支援ネットワークの構築にも取り組んでおります。病院としての役割を果たすと同時に、地域の皆さまとの対話を大切にし、「地域の安心の拠点」となれる開かれた病院づくりを推進してまいりますので、今後ともご指導ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
令和7年6月
医療法人明和会 佐藤病院
院長 萩原 聡
医師紹介
宇都宮 和則(うつのみや かずのり)
- 精神保健指定医
- 日本精神神経学会 指導医・専門医
萩原 聡(はぎわら さとし)
- 精神保健指定医
- 日本精神神経学会 指導医・専門医
- 日本認知症学会 指導医・専門医
- オレンジドクター
- 認知症サポート医
三浦 嘉道(みうら よしみち)
- 精神保健指定医
小野 賢一(おの けんいち)
- 精神保健指定医
- 吃音担当医
山口 義弘(やまぐち よしひろ)
- 精神保健指定医
- 日本精神神経学会 指導医・専門医
- オレンジドクター
- 認知症サポート医
廣岩 香織(ひろいわ かおり)
- 産業医
首藤 宗一郎(しゅとう そういちろう)
- オレンジドクター
東保 みづ枝(とうぼ みづえ)
- 精神保健指定医
- 日本精神神経学会 指導医・専門医
